kikala by neem|自然派化粧品 -NEEM SKINCARE-

2代目にむにむ日記 vol.2

「“自然派”って、自然に売れない。kikala by neemが直面した現実と希望」

kikala by neemというブランドを立ち上げて、1年半が経ちました。
自然派スキンケアを軸に、ニームという植物の力を現代の肌悩みに届けたい──そんな想いでスタートしたこの事業。

もちろん、最初から「簡単じゃない」ことは分かっていたつもりでした。
でも実際は、「分かっていたつもり」と「現実」の間には、深くて広い谷がありました。

■ 佐野という存在、そして“ゼロからの戦い”

ブランドの立ち上げからしばらくして、株式会社Corner Workの社員・佐野が、kikala by neemの主担当になってくれました。
彼は、プロダクトの背景や成分を真剣に学び、どうすれば一人でも多くのお客様に製品を届けられるかを、毎日のように模索してくれました。

最初は、美容オイル1本だけでの展開。
限られた商品で勝負する中、佐野は丁寧にポップアップを回り、商品の魅力を地道に伝えていきました。
「試してもらうところまではいける。でも、購入にまでは届かない」。
そんなもどかしい日々の連続だったと思います。

■ ニームって、なに? “未知”との戦い

kikala by neemの核にあるのは「ニーム」。
でも、そもそもニームという植物を知っている人が、圧倒的に少なかった。
「インド原産? 虫除け? 肌にいいの?」と、反応はさまざまで、むしろ“伝わらない壁”を思い知ることになりました。

そこで、少しずつ方針を変えていきました。
まずはニームという存在を「知ってもらうこと」に軸を置き、同じニーム由来の健康茶や食品を扱う『ニームかごしま』の商品と並べて販売を始めました。

そうすることで、お客様との会話も変わり始めたのです。
「お茶もあるんだ」「体にいいなら、肌にもよさそうだね」。
商品が“理解”され始めたことで、kikala by neemの製品にも手が伸びるようになり、ようやく売上に繋がっていく兆しが見えてきました。

■ 生産者の想いと、現場の温度差

kikala by neemの原料であるニームは、僕の両親が鹿児島で栽培しています。
虫も寄せ付けないほどの強い生命力を持つ植物を、農薬に頼らず、手間ひまをかけて育て続けている。
その姿には、敬意しかありません。

けれど一方で、“売る”という現場との温度差も、正直あったと思います。

生産者としての強い想いと、都市部の顧客との温度、社員が売り場で感じるリアルな反応──
この“熱量のズレ”が、そのまま売上に影響していた時期もありました。

だからこそ、僕らが橋渡し役として、その「想い」と「現実」をつないでいく必要がある。
その役割を担うのは、kikala by neemというブランドしかないと思っています。

■ 黒字なのにお金が足りない? キャッシュフローのリアル

次にぶつかった壁は、キャッシュフロー。
製品は売れている、利益も出ている。なのに、口座残高はいつもギリギリ。

広告費、原材料、撮影、イベント出展…すべて先にお金が出ていく。
売上は後からしか入ってこない。
帳簿の数字と実際の財布の中身がまったくリンクしない状況が、常に不安を呼びました。

これが「黒字倒産」ってやつか…と、初めて腹の底から理解しました。
ようやく会計上の利益とキャッシュの流れに真剣に向き合うようになった頃から、少しずつ打てる手も見えてきました。

■ 「いい商品なのに売れない」って、いちばんつらい

ニームの魅力を丁寧に伝えて、肌悩みに本気で寄り添える処方にこだわった。
自分が本当に「これなら」と思える製品しか出していない。

でも、それでも…売れない。
「なんで? なんで伝わらない?」そんな問いが何度も頭をよぎりました。

自然派化粧品に敏感な30〜40代を想定していたけれど、実際に購入してくれるのは40〜50代。
ターゲットとのズレと、“ニームってなに?”から始まる長い説明のハードル。
ようやく伝わった頃には、競合商品に流れている。

広告の言葉、LPの構成、タッチポイントの工夫…一つ一つ試しては、砕けて、また立て直す。
「売る」ということの本質が、ようやく見え始めた気がします。

■ それでもkikala by neemを続けたい理由

ここまでの1年半、正直に言えば「これ、事業として成立するのか?」と何度も自問しました。
でも、僕たちが手を止めないのは、やっぱりニームの力に未来を感じているからです。

肌に悩む誰かに、確かな変化を届けられたという声が、僕たちの背中を押してくれる。
佐野をはじめとしたチームの存在、生産者である両親の情熱、そしてお客様の反応。
すべてが少しずつ繋がりはじめている感覚があります。

ビジネスとしては、まだまだ未熟。
だけど、ブランドとしての“芯”は確かに育ちつつある。

これからもkikala by neemは、自然に寄り添いながら、あくまで「本気」で化粧品と向き合い続けます。
自然体ではいられない。でも、その方が面白い──そう思える今が、少しだけ誇らしいです。

kikala by neemの製品一覧:Products

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